病又イアは、YouTubeやツイキャスなどを中心に活動するVTuberである。とある研究所から逃げ出してきたキメラで、その逃亡劇の記録として配信活動を開始した。
インターネットと自撮りが趣味で、広いネット空間を旅する中「自分が存在する世界、そして自分自身の世界を見せたい」という想いが強くなりVTuberとして現在のスタイルを確立することとなった。
クリエイティブなことが大好きな彼女にとって、自由に制限なく自己表現できるVTuberというスタイルは非常に相性が良いようだ。
1. 幽霊みたい / covered by 病又イア
病又イアソロとしては初の歌ってみた動画。ボカロPである佐藤乃子が歌愛ユキオリジナルとして2024年に発表し、200万を超える再生数を記録中である人気曲のカバーに挑戦している。
「活動初期の頃から歌を聴きたいというリクエストはリスナーの方からいただいていて『チャンネル登録者数1000人超えたら歌う』と言っていたんですが、全然約束を守れないまま時だけが過ぎ去ってしまい……。活動3年目にしてようやく実現できました」という本作は、ファンにとっても待望の作品であったと言えるだろう。
楽曲全般を通して静かでダウナーで、それでいて心の奥底に秘めた何かを感じさせてくれるような歌唱アプローチが印象的。中でも落ちメロの「まるでホンモノの人間みたい」の部分は、揺らぎを交えたノイジーなサウンドも相まって彼女の心の深淵に眠る想い覗き見ることができる様だ。
静かな歌声であるにも関わらずとてもエモーショナル。聴きどころだらけの本作の中でも特に必聴なパートとなっている。
2. 。
我々人類の暮らす馴染み深い世界の一風景であるように一見思えるが、注意深く見ていると「どこか違う世界」であることに気づいてしまう。そういったひとつひとつの違いが、彼女が存在するインターネット空間の謎を紐解く鍵となっているのではないか。
ぜひ彼女の住む世界の全貌を明らかにすべく、あなたの住む世界との違いを見つけ出すことに挑戦してみて欲しい。その真相に迫った暁には、”研究所”からスカウトが来てしまうかも……?
たった36秒の短尺の中にVTuber病又の世界がギッシリ詰め込まれた作品である。BGMが無く環境音のみとなっているため、環境映像や環境音ASMR的な楽しみ方が好きな方にもオススメしたい。
3. 幻影
「病又イアが居そうな場所」をリスナーから募集し、集まった写真を紹介するという配信企画。なんと100以上の応募があったそうだ。
前述の「。」がリスナーのいる世界とは次元が違うであろう世界の映像だったのに対し、本配信では「リスナーがいる世界の中で病又イアが居そうな空間」を見ることのできる点が非常に面白い。配信を通して、リスナーが描く病又イア像が見えてくる点もとても興味深い。
路地裏や人気のない場所が多く「ひと気のない所が好き」という彼女の嗜好をよく理解しているようだ。投稿された風景写真を見ていると、そこに写っていないはずの病又イアが見えてくることがあるから不思議だ。
この現象は、我々の住む世界と彼女の住む異次元がどこかで繋がっている証明なのかも……?かなりの力作揃いで、この企画に集まった写真だけで写真集が作れてしまいそうな程。
薄暗い場所、人気のない場所、どこか重さや陰鬱さを感じる場所、そこはかとなく閉塞感を感じる場所などなど……心理的に”閉じた”場所が好きな方、そういった場所の写真が好きな方にもたまらない内容となっている。
最後に、病又イアに今後の活動について語ってもらった。
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