麗月鏡華は、YouTubeを中心に活躍中のリボンと紅茶を愛するVTuberである。


誕生石をブランドにしたタレントグループである「TwinkleColorsProject」に所属し、歌コンテンツをメインとしつつもゲームや雑談など多彩に活動している。元は人間に憧れるドールで、「人間になりたい」という夢を叶えたのが今のVTuberとしての姿である。


そのためか世間知らずな部分があるが、どこか品を感じさせる佇まいを持つ。「世話役」のリスナーたちに支えられ日々楽しくVTuber活動を行っている。


その親しみやすいキャラクターと磨き上げられたシンガーとしての貫禄のギャップが大きな特徴。リスナーと近い距離で気さくに雑談を交わしながらも、歌唱パートに入ると一点アーティストとしての顔となるのがとても印象的。


エッジのきいた迫力の低域から聴くものを魅了する美しい響きの高域まで、様々な声色を使い分けられるのが魅力である。また、確かな歌唱力をベースとした表現力の豊かさが素晴らしく、聴き手に対し楽曲に込められたメッセージがしっかり伝わる歌声を届け続けている。


そんなアーティストの一面を見た後に視聴すると別人かと思うくらい、他のエンタメ系配信では違った顔を見せてくれる。特に、たまに飛び出す「キレ芸」はインパクト抜群。笑い無しではいられないこと請け合いだ。

前提知識のない初見でも入っていきやすく、楽しみやすいチャンネルの雰囲気である点も嬉しいところ。少しでも気になった方は、ぜひ彼女の配信に遊びに行き「世話役」を務めてみてはいかがだろうか。



1:   私は、私達は - Guiano / Covered by 麗月鏡華



ボカロPであるGuianoの手掛けた大人気曲をカバーした歌ってみた動画。「感情」に焦点が当てられた原曲に対し、彼女の解釈と表現力が炸裂した作品となっている。


1番では少し思い悩んだようにアンニュイな歌声。そこから少しづつ勢いを増していき。2番以降では吹っ切れたようにスピードが増した歌声を聴かせてくれている。様々な形の「エモい」を1曲の中で聴かせてくれているのが彼女ならでは。


「録音する時いつも色々考えてこだわってリテイクの回数が凄いことになるんです。だけど本作は『自分を貫こう!』というメッセージが込められた曲だと思うので、2番に関してはいつもより少ないテイク数で感情のまま歌いました!前へ進む勢いが強い歌を取れたと自負してます!」と彼女自身が語る通り、「怖いものはない 恐れはしない」という想いが前面に出た仕上がりとなっている。


そんな中、終盤にある「せーの!」のフレーズの可愛らしさは本作品の中でも大きなフックとなっており、聴きどころである。このギャップにも注目して聴いてみて欲しい。



2:  ザムザ - てにをは / Covered by 麗月鏡華



スマホゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ!』に登場するユニット「25時、ナイトコードで。」への書き下ろし楽曲として、ヒットメーカであるてにをはが手掛けた作品の歌ってみたカバー動画。


冷たさや痛みを含んだ暗めの要素を含む本楽曲だが、2024年2月21日……彼女の誕生日に本カバー動画は公開された。記念日には明るくハッピーな曲を歌う活動者が多い中、かなり珍しい選曲であると言えるだろう。


「活動者としてとても歌詞に共感できたので、あえてこの曲を選びました!リスナーの方に『なんでだろう?』って考察してもらうのも好きなので(笑) 傷つくこともあるけど、それでも頑張って進んでいこうという想いを込めて歌いました。」と語る彼女の表現者としての顔、活動者としての顔、そしてエンターテイナーとしての顔が垣間見える作品である。


音程、リズム、符割り、表現など全般において高難度を誇る本曲だが、麗月も「過去最高に苦労して、500テイクは録りました!」とのこと。その甲斐あってか、艶とキレを兼ね備えた歌いまわしで難曲の世界観を見事に表現している。


特にCメロの「どうしようもない成れの果てでもここにいる〜」の部分では艶と透明感が共生した、麗月鏡華にしか創り出せない色味で歌い上げており要注目だ。そのパフォーマンスや楽曲との相性を考えても、彼女の代表作のひとつと言えるセンセーショナルな作品である。


3:  撫でんな - 柊マグネタイト / Covered by 麗月鏡華



ボカロPとしても多数の名義を持つ作曲家、柊マグネタイトの大人気作品の歌ってみたカバー動画。


「本当は撫でて欲しいけど素直になれなくて真逆の態度を取ってしまう」という心情が描かれた本曲。「他のVTuberを推してくれても全然いいよ〜!」と公言している麗月だが、本作品を選曲した彼女の本心は如何に……?


なお本動画の公開日は「4月1日」である。その点も含め、歌声を聴きながら考察していくのがとても楽しい作品となっている。


どちらかと言うとシリアスで「カッコいい」寄りの楽曲を歌うことの多い彼女だけに、本曲のような可愛らしいメッセージを多分に含んだ楽曲を歌う姿は新鮮だ。しかし、いつもと違った表情を見せながらも端々に麗月節が含まれており、しっかりと彼女らしい作品に仕上がっている。


全体的にツンとした可愛らしさに溢れているが、落ちサビの「何も言わないで聴いて〜」の部分の本心の寂しさが思わず出てしまったかのようなリアルな表現は、新鮮さと麗月らしさをどちらも含んだ聴き応えのあるパートとなっている。



最後に、麗月鏡華に今後の活動について語ってもらった。


「先日7月2日の周年配信で新衣装を発表したので、この衣装の可愛さを色んな方に知ってもらえるように色々活動していきたいです!歌が大好きなので、これからも歌枠や歌ってみた動画は積極的にリリースしてきたいですね!!歌枠リレーにも出たい!!!仲の良い配信者友達を増やしてコラボもたくさんしてみたい!!!!やりたいことはたくさんあるんですが、凝り性なので準備に時間がかかってしまいなかなか実施まで辿り着けないことが多かったり……下半期は一つでも多く実現したいですね〜。そして色んな活動を通して、2024年中にチャンネル登録者数10,000人突破の夢を叶えたい!!!!!あ!それと!最近ボカデュオ2024に参加して、♰CHAINSAW DOLL♰~黒猫の楽園〜というドール要素の強い作品を歌ったんです!!この楽曲をたくさんの人に聴いていただくのも目標のひとつです!!!」


多くの夢を熱く語ってくれた麗月鏡華。今後も様々な麗月色のコンテンツを提供してくれそうである。


10,000人突破に向けてさらなる盛り上がりを見せる彼女の活動……ますます目が離せなくなりそうだ。